電気ノート

MDの技術(45)

音楽を聴くために使う「MD」が登場(1992年)して、今年で10年です。

「CD」と比べると、ずいぶん小さいディスク(直径64mm)を使いますが、
なぜ、たくさんの時間、音楽を録音出来るのでしょうか?


まず、仮に「CD」と同じ信号処理によって録音したら、
「MD」には、10数分間しか録音できません。

ここで登場するのが、音声の圧縮技術の「ATRAC」です。


 この技術を簡単にまとめると、
最初に、一定時間内の音声波形を周波数帯別に分解します。

そして、人間の聴覚上の特性を応用し、
聞こえる部分のデータだけを抜き出し記録します。

具体的には、
 ・人の聴覚の特性上、一定レベル以下の音は聞こえないので省く。
 ・ほぼ同じ周波数帯で大きな音と小さな音があると、
  小さい方の音は聞こえないないので省く(この事を、マスキング効果といいます。)


このようにして、最初の音の信号から、
聞こえない音の信号を省く事によって
音楽データを小さくする事が出来るのです。

この「ATRAC」の技術のおかげで、
元のデータ量を約5分の1まで圧縮しあの小さいディスクに、
最大74分間の音楽を録音することができるようになりました。
(現在では、圧縮技術の改善などによって最大80分までの録音が可能)


また最近では、「ATRAC」に改良を加え「ATRAC3」というのがあります。

「ATRAC3」は、「ATRAC」より音声記録時間を2倍、
または4倍にまで伸ばすことが出来るようになります。

「ATRAC3」を採用したMDは、
「MDLP」(ミニディスク・ロングプレー)とよばれています。


小さいのにたくさん録音できる「MD」の技術、
分かってもらえましたでしょうか!!!。



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